2018年3月1日木曜日

想定外の可能性



今朝は雪は止んでいたが、予想通り一面白くなっていた

昨日、想像もしていなかったようなことを訊かれた
どこかに書いているような気もするが、このような経験をこれまで何度かしている
それはすべて外国で起こっている

おそらく最初に気付いたのはアメリカにいた時である
いくつかの大学にインタビューに行ったことがある
ファカルティの人と会うようになっていたが、その中のある人がこう訊いてきた
どこのお生まれですか?
それはアメリカのどの町ですかという意味だったのである
日本から来ていることを知って驚いたからである
この時、この私は全く想像もしないような人間として見られていることに気付いたのだ

内から見ると、それは決まりきったもの
しかし、その同じものは外から見ると何でもありということである
外から見ているだけでは人は分からない
しかし、内からだってよく分かっていない
自分を勝手に規定している、その幅を自ら狭めていることに気付く瞬間があるからだ

こちらの大学に入る数年前にフランスに来た時、1週間だけ語学学校に通ったことがある
その中には先生と一対一のクラスも含まれていた
ある時その先生が、フランスに来たのはこちらで職を探すためですかと訊いてきたのだ
なぜそう感じたのかまでは訊き返せなかったが、これには驚いた
その時もやはり、自分であり得ないと決めてかかっていることがあることに気付いた

同じようなことがこちらに来る1年前にも起こった
客員のような形で受け入れてくれる先生を探すためにパリに行った時のことである
一人だけ会うことができた老教授がいた
文系の先生はオフィスにいないと分かったのはその時である
会話の中でその先生が、あなたは学生になりたいのですかと訊いてきたのだ
今更そんなことはあり得ないと思っていたので、驚いたのである
学生を相手にしている専門家が言うのである
その想定外の質問は、あり得ないことなどないという声にも聞こえた
考えてもいなかったようなところから光が差してきたという感覚でもあった
自分が驚くような道の先には何があるのかという好奇心がくすぐられたのだろう
それが今に繋がっているような気もしてくる雪の朝である






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