mardi 21 février 2017

"Age of Anger"、あるいはパンカジ・ミシュラさんから見た現代社会



昨日、用事があり駅へ
キオスクで久しぶりにル・ポワンを手に取る
その中に、アングロサクソンの世界で話題になっている本が紹介されていた
フランス語で L'ère de la colère (怒りの時代)

原題はAge of Anger: A History of the Present (Farrar, Straus and Giroux, 2017)
著者はインド出身のパンカジ・ミシュラ(Pankaj Mishra)さん
まだ、日本語訳は出ていないようである
その主張を簡単にまとめると以下のようになる

昨年特に顕著になったが、それ以前から進行している現象がある
例えば、トランプ現象、ブレクジット、ポピュリズム政治、プーチン、イスラム過激派、、、
これらは文明の衝突では説明ができない
むしろ、「市民レベルの世界的な戦争」と捉えるべきだろう
「リベラルでコスモポリタンなエリート」対「進歩の果実にありつけない不満を持つ大衆」の戦争だ
これは一時的なものとは程遠く、大衆の怒りは根が深く、ますます増大するだろう

ヨーロッパの啓蒙時代に始まった流れに問題を見ることができる
当時、自由な個人が理性を用いて進歩に向けて励んだが、それは今まで有効な考えであった
それが人々に幸福を齎したからだろう
しかし、このやり方は人々が同じことをやるため、世界が均質化して来る
必然的に競争が入り、その過程で「ルサンチマン」(恨み)の感情が生まれてくる

この根にヴォルテールルソーの対立を見ることができるだろう
一方に、理性とアングロサクソンの自由主義を謳い上げ、大衆から隔絶された「エリート」がいる
他方に、パリの社交界を拒絶し、近代社会にネガティブな感情を抱いた人間がいる
ヴォルテールの謳った自由は彼のようなある枠の中にいるインテリのためのものであった
彼はユダヤ人や黒人などを軽蔑していた
これに対して、ルソーは近代人が模倣と競争に疲れることを見通していた
それからの解放を求めたが、富や社会的地位の追求はルサンチマンを生み出すことを見ていた
その結果、テロリズムやデマゴギーが現れるが、それは18世紀の終わりから始まっている
イスラム過激派は宗教の産物ではなく、近・現代の産物なのである

啓蒙時代に始まる進歩には著しいものがあるが、そこには欺瞞が含まれている
確かに寿命は延び、死亡率は減っているという数字はある
しかし、すべての人がその恩恵に与かっているだろうか
それが幸福な生活に結びついているだろうか
失業や故郷喪失、そして環境破壊などから来る生活の質の低下はないだろうか
解決策はわれわれのような作家やインテリが新らたにこの問題を考え直すことだろう
いかなるイデオロギーからも自由になって


わたしの言葉で言えば、枠組みのない更地から考え直すことが重要だということになる
この姿勢は、どのような問題を考える時にもカギになるものだろう









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