2016年12月30日金曜日

ユベール・リーヴズさんのインタビュー

Edouard Caupeil
      Hubert Reeves (1932- )
     @Paris, le 19 novembre 2016


一昨日、タバから出ようとしたところ、このお顔が目に入った
本当に久しぶりのル・モンドである

ユベール・リーヴズさんとの因縁はかなり古い
2001年にフランス語を始め、進捗状況を見るために試験を受けていた
2003年の秋にはDELF A3というのを受けた
その面接試験でのこと
3つほどの問題から一つを選び、それについて質疑応答するというものだった
わたしの選んだ問題が、この方についてのものだったのである

心理学専攻の女性試験官は、まずリーヴズさんを知っているかと訊いてきた
(勿論)知りません、と答えると、びっくりされた
それ以来、忘れようとしても忘れられない人になっている
こちらに来てからも、彼の本には注意している

ル・モンドから出る宇宙に関するシリーズの推薦人になっているので、インタビューされたようだ
1932年にモントリオールで生まれているので、現在84歳
NASAやCNRSにおいて、星の中心で起こる核反応でできる要素の合成に関わっていたという
それが1970年代から科学の普及に努めるようになる
出版やテレビ出演だけでなく、世界中で講演し、その数は2,500回にもなるという

まず、人はなぜ天文学や宇宙物理学、そして宇宙論に惹かれるのだろうか?
彼は二つの答えを持っている
一つは、宇宙開発や月探査の影響である
それに加えて、カール・セーガンの貢献は無視できないと見ている
わたしもアメリカにいる時には、セーガンさんの姿と独特の語りをテレビで観ていたのでよく分かる
第二の理由は哲学的なもので、特にカナダやポルトガルでその傾向が強いという
社会の変化に伴い、一神教の権威が落ち、人々は信の拠り所を失った
それを埋め合わせるものとして、人間を超えた宇宙に向かったのではないか
そこでの問題は実存に関わることになる
例えば、われわれの生に意味はあるのか?この世で何をするのか?世界に秩序はあるのか?

宇宙が拡張しているという20世紀初めの発見は、そこに始まりと過去があったことを意味している
これまでの研究は、ビッグパンに始まる星や銀河系の形成の歴史を再構築することであった
それは同時に、われわれの歴史を再構築することでもあった
それではこれからどうなるのか?
その答えを出すのは難しい
宇宙の大部分を占める暗黒物質やダークエネルギーの実体が分からないからである
われわれは宇宙の5%程度しか知らないのである
さらに真空エネルギーの問題もある
相対性理論や量子力学と同じような革命的な理論が出る可能性もある

今のところは大きく二つのシナリオがあるだろう
一つは Big Freeze (Chill) で、拡張するにつれてどんどん冷えていくというもの
もう一つは Big Crunch で、ビッグバンの映画を逆戻しするような経過を取るものである
ダークエネルギー発見により、Big Chill が好意的に見られているようである

先月、スティーヴン・ホーキングさんは次のようなことを言ったという
地球はあと1000年程度しかもたないので、宇宙開発を止めてはいけない
移住先を探そうということだろう
ただ、リーヴズさんはこの考えに真っ向から反対している
大切なことは、この地球上で自然と調和して生きることを学ぶことである
それを学ばないようであれば、他の星に行っても同じ結果になる
われわれが他の生物を殺し続けるならば、われわれも消滅するしかないのである

この言葉でインタビューは終わっていた





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